輻輳レポートおよびSLAレポート輻輳レポーティングおよびSLAレポーティングは、それぞれ異なる方法で、輻輳が発生するほど深刻な状況にならないうちに容量の問題を明らかにするメカニズムです。どちらのテクニックを用いた場合も結果としてレポートが作成されるので、レポートを日、週あるいは月ごとに調べることにより、注意を要する「ホット スポット」が新たにできていないかを確認することができます。 輻輳レポートには環境設定はほとんど必要ありません。1分ごとに、混雑度上位5%のネットワーク インターフェースが明らかにされます。やがて、これらの統計値が総合され、混雑度上位5%に最も頻繁に現れるインターフェースが明らかになります。これらの慢性的に混雑しているインターフェースは、輻輳問題が発生しやすい領域です。輻輳レポートはTraffic Serverウェブ ページの左にあるメニューからReports > Periodicを選択することにより見ることができます。輻輳レポーティングに関係する環境設定パラメータはcongestionMonitorだけです。このパラメータを使用して、ネットワークの様々な部分について輻輳モニタリングのON/OFFを切り換えることができます。たとえば、ネットワークのバックアップ トラフィックだけのために使用されるリンクについては、輻輳モニタリングをディセーブルにするべきでしょう。バックアップ トラフィックは高い利用率を引き起こすことが予想されるので、頻繁に利用されるバックアップ リンクを輻輳レポートに含めるべきではありません。そうしないと、他の、輻輳について注意するべきリンクに関する情報が隠され、輻輳レポートに表示されなくなってしまいます。
表1は、Congestion Report(輻輳レポート)の例です。このレポートでは、1日のうちに混雑度上位5%にランクインした時間(単位は分)の順にリンクを並べて表示します。各リンクについて、ピーク時の利用率、混雑している時間のトップ ソースおよび混雑していた時間帯が表形式で出力されます。 SLAレポートでは、混雑しているリンクを別の方法で明らかにします。この場合、SLAレポーティングしきい値を設定しておく必要があります。トラフィックがSLAしきい値を超えていた時間(単位は分)に基づいてリンクをランキングするレポートが作成されます。SLAしきい値には、値と時間という2つのコンポーネントがあります。たとえば、80%/10というしきい値は、利用率80%を超えた時間が1日に10分より長かったリンクが、重大な問題を抱えているものとして報告されることを示します。利用率80%を超えた時間が1日に10分に満たなかった場合、そのリンクはmarginal(限界)として報告されます。SLAレポートは、Traffic Serverウェブ ページの左にあるメニューからReports > Scheduledを選択することにより見ることができます。
表2は、SLA Report(SLAレポート)の例を示しています。目標利用率しきい値を超えた1日あたりの時間(単位は分)に基づいてリンクをランキングします。利用率しきい値を超える1日あたりの時間(単位は分)が時間しきい値を超える場合、そのリンクはcritical(クリティカル)としてマークされます。
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