新サーバーへの移行
このチュートリアルでは、Traffic Sentinelインストールを現行サーバーから、新規サーバーに移行する方法について説明します。
たとえば、新しいハードウェアや新しいOSに移行するケースなどです。
概要
サーバー移行タスクは4つのステップに分類できます。
1.新規サーバーのインストール
2.設定情報の移行
3.IPアドレスの引き継ぎ
4.トラフィックヒストリー(データ)の移行
新規サーバーのインストール
新しいIPアドレスで新規サーバーを構築しますが、現在のTraffic Sentinelサーバーと同じホスト名を使用します。同じホスト名を使用することは必須ではありませんが、通常、製品のソフトウェアキーがサーバーのホスト名に関連付けられているため、同じソフトウェアキーが利用できる為、移行が簡単になります。
ただし、ホスト名を変更する等、新しいキーが必要な場合は、新規ソフトウェアキー発行をリクエストしてください。
インストールソフトウェアパッケージをダウンロードし、インストールガイドに従って、新しいサーバーにTraffic Sentinelの最新バージョンを手動でインストールします。
必要に応じて(旧バージョンのTrafficSentinelを使用しているような場合)、既存のバージョンのTraffic Sentinelを同じバージョンにアップグレードします。インストールを手動で実行(通常の初期インストーレーションと同じ)するか、[ファイル]> [アップグレード] ページ(通常のリビジョンアップと同じ)を使用します。
この段階でブラウザーのキャッシュをクリアすると、TrafficSentinelにアクセスするときに、サーバーから新しいバージョンのJavaScriptファイルがダウンロードされるようになります。
「administrator」としてログインし、「ファイル」>「コントロール」ページを使用して、新規サーバーでの「データ・コレクション」をストップします。
設定情報の移行
TrafficSentinelには、すべての構成設定、レポート、ウィジェット、REST APIスクリプトなどのtarballを抽出するために使用できるユーティリティスクリプト
~inmsf/scripts/config_snapshot
があります。
次のように実行します。
~inmsf/scripts/config_snapshot /tmp/sentinel
これにより、/tmp/sentinel-<date>-<id>.tar.gzファイルが作成されます。このファイルを新規サーバーにコピーし、その情報を新規サーバーにインストールします。
~inmsf/scripts/config_restore sentinel-<date>-<id>.tar.gz
これで、通常のログインIDとパスワードを使用して、新しい新規サーバーのTrafficSentinelにログインできるようになります。
ホスト名が変更され、新しいキーがある場合は、最初に新しいキーを[ファイル]> [設定]> [設定の編集]> [サイトの編集]ページで設定する必要があります。
IPアドレスの引き継ぎ
現時点では、sFlow®、NetFlow™、IPFIX、SNMPデータの収集は旧サーバーで引き続き行われています。
この時点で、次のいずれかの方法を選択できます。
・IPアドレスを交換して、sFlow/NetFlow/IPFIXフィードを、スイッチ/ルーターの設定を変更せずに新しいサーバーに送信を開始させます。この場合、このIPアドレスに対して設定されている可能性のあるファイアウォールルールやSNMP ACLリストも変更する必要が無いケースが大半です。
・sFlow/NetFlow/IPFIXを新しいIPアドレスに送信するようにスイッチ/ルーターの設定を変更します。また、そのアドレスからのスイッチおよびルーターへのSNMPアクセスが許可されていることを確認します。
設定情報が完全に移行され(移行により失われた可能性のあるユーザ固有のカスタム設定またはカスタムスクリプトを含む)、データコレクション設定がすべて正しく構成されていることを確認したら、新規サーバー上で、[ファイル]> [コントロール]ページを使用してデータ・コレクションをスタートします。
トラフィックヒストリー(データ)の移行
まず、新規サーバーのディスクパーティションで、/usr/local/inmsf/dataディレクトリのパーティションにデータを移行する空き容量が十分あるか確認します。トラフィックヒストリー(データ)をコピーする前に、〜inmsf/sripts/moveDataDirスクリプトを使用してデータベースディレクトリを再配置する必要がある場合があります。
トラフィックヒストリーデータベースは、YYYYMMDD形式の日ごとのディレクトリに配置されたバイナリファイルで構成されています。
たとえば、以下ディレクトリ:
〜inmsf/data/historyData/20200131/
2020年1月31日のトラフィックヒストリーデータが保存されています。これを新規サーバーにコピーするには、新規サーバーのユーザー”inmsf”が、読取/書込権限があることを確認し、これらのディレクトリをコピーするだけです。トラフィックヒストリーデータが非常に大きい場合は、 rsync(1) を使用するか、新規サーバーにnfsを使用して古いサーバーのディスクをマウントさせるなどして下さい。ただし、ほとんどの場合、データの移行に時間がかかっても問題ないため(新規サーバーでの新規データ収集はすでに開始さてている為)、新規サーバーからscp(1)を呼び出す簡単なスクリプトを利用できます。
HISTDIR=/usr/local/inmsf/data/historyData
scp -r oldserver:$HISTDIR/* $HISTDIR
chmod -R inmsf:inmsf $HISTDIR
次に〜inmsf/data/activeDataディレクトリに対してもこれを繰り返します。場合によっては、ディレクトリ〜inmsf/data/が、他のディレクトリへのリンクである場合があることに注意してください。これは、ユーティリティスクリプト〜inmsf/scripts/moveDataDirを使用して、より多くのスペースがある別のパーティションにトラフィックヒストリーデータを再配置していた場合や、ユーティリティスクリプト〜inmsf/scripts/history_archiveをcronでスケジューリングで動作させ、日々ディレクトリを移動させているような場合に発生します。これらは、削除するのではなく、あとで代替ネットワークストレージに移動させます。